
小学生の吾が子に、"国際感覚を身につけさせてあげたい" "異文化に触れ外国人との交流体験をしてほしい" "交流を通じて国際社会の一員としての感性と感覚を身につけてほしい"、その願いから、海外旅行に出かけるばかりではなく、ホストファミリーとして外国人の受入れをしてみよう、というところから始まりました。
[2005年夏] "アジア太平洋こども会議"でパラオからの小学生を受入れました。
今年で第17回目を数える、日本でも有数の受入れ規模を誇る事業です。
そもそも、『よかトピア』開催の時に、青年会議所が主催したもので、当時としては常識はずれの1,000名を受入れることを実現したところから始まりました。限られた予算の中で、とにかくボランティアが中心となって運営し、大成功を収めた空前の事業を継続している福岡県夏の風物詩ともいえる事業です。
今話題の『愛・地球博』でも同様のことを始めたいとして事務局にヒアリングに来たようですが、運営組織体のしっかりした体制と受入れホストファミリー組織は、とても一朝一夕にできるものではないとして、断念した経緯があります。
この事業の理念は、
未来のアジア太平洋地域の平和を担う子供達への国際的交流を深める。
国際都市福岡の住民がボランティアで受入れることにより、訪れる各国子供達に福岡の認識を深めてもらい、受入れホストファミリーサイドの子供達も国際感覚を養う。
というもので、同じ年齢の子供を持つ親として、また未来の世界平和を願う者として、とても共感が持てました。
昼間のプログラムから7-9日間の滞在中も全て、受入れホストファミリー達が主体となって仕切りますので、ホスト同士の事前打ち合わせや地域リーダーのリーダーシップ、そして担当する自治体や学校のバックアップ交渉など、ホストファミリーの活動範囲が多いことが特徴と言えます。かわいい子供達の笑顔や楽しく遊ぶ姿を見ていると、もっともっとお世話をしてあげたくなるものです。
今回パラオ共和国から男女6名を受入れた那珂川町では、全体で参加(茶道・生け花・書道・地元小学校訪問)のほかに、
個別に参加したものとして、プロ野球観戦(ソフトバンクホークス)・剣道・消防車乗車と定期点検見学・地元少年野球チームのバーベキュー大会・花火・グラススキー・カブトムシ大会・学校クラス訪問・ラジオ体操・新幹線乗車、などがありました。
他にも、窯元訪問による陶器制作や木工職人さん訪問、新幹線基地視察など、地域に密着した素材自体はたくさんあるので、もっと地元に密着した、そして地元の方々にもご理解をいただき、特色のある内容の深いものをアレンジしていければなと感じています。
[2004年夏] "日独スポーツ少年団同時交流"でドイツからの高校生を受入れました。
日本の高校生をドイツへ派遣し、ドイツの高校生を日本全国の自治体が受入れる日本体育協会主催の交流事業です。
約1ヶ月の間、オリエンテーションを含め、いくつかに分かれた小グループ(おもにスポーツジャンルで分けられている)が、日本国内3地域へのホームステイと異文化交流を中心とした滞在を経験するという、これまた壮大な事業です。
昼間のプログラムは、受入れ自治体が主体となって地域ごとに特色のある交流・見学プログラムを作り、ホストファミリーは夕方から翌朝までの間ホストをし、昼間のプログラム参加への送迎を担当します。
ドイツという、いわば先進国からの訪問団であり、しかもある程度分別のある高校生ですから、同じ年頃の子供同士であっても、交流がうまくいく場合と、そうでない場合があります。
では、成功する受入れのコツをアドバイスします。
ホストファミリー・主催者の事前の打ち合わせが成功の80%!
受入れ2ヶ月ほど前から、本格的に受入れ準備が始まります。実は、この受入れ準備のためのミーティングほど大切なことはありません。
主催者が自治体である場合は、その担当者と親密になり、何でも相談できること、またホストファミリー同士がプログラムを作るのなら、前回ファミリーからの引継ぎ・反省点などを入手し、まとめ役(リーダー)をしっかりした方に頼むこと、地域団体や協力を依頼できそうなところに顔が広い人を引出す、ことが重要になってきます。
今回のAPCC(アジア太平洋こども会議)では、ホストファミリー同士・受入れ自治体・主催者との打ち合わせは数知れず、という感じで、それでも始まってみると打ち合わせと違うことや、思いがけないこと(ホームシックになったり)が起こったり、残りの20%はやりながら修正するという具合です。
前任者・前回担当からの申し送り(引継ぎ)は最も大切!
仕事でも何でもそうですが、引継ぎは最も大切です。その中には、前回の反省や傾向などさまざまな生かせる情報が満載です。書面や写真で残っていることはもちろん、少しでも多く、どんな些細なことでもいいから、申し送り事項として、終了後、まとめておくことが肝心です。終わったらそれで気が抜けてしまって、往々にして手を抜きがちですが、相手国のためにも、前任のホストファミリー受入れ記録として、気がついたことはなんでも記録に残しましょう。
母親は食事・日中のお世話で一番大変です!
ホームステイ受入れで最も働くのは実は、母親なのです(あたりまえ?)。しかも、ハンパじゃなく忙しい。そこにもってきて伝えたいことも伝えられないストレスが重なると、正直途中で逃げ出したくなります。同じ家にいるもんだから、自分の家でありながら、全然落ち着かない、ということにもなります。
父親のいない昼間は、しようがないのですが、ホストファミリーのお母さん同士がコマメに連絡を取り合い、状況を話したり聞いたり、少しでもストレスを発散し、対処方法をそれとなくアドバイスし合いましょう。これが最も乗り切る活力になります。
最初に雰囲気がなごむために行うこと。
初めて家に到着したら、お互いまだうちとけていないので、部屋にこもってしまったり、会話が続かなかったりするもので、イヤーな空気が流れます。そんな時には、次のことでコミュニケーションをとりましょう。
家の中の案内、決まりごとの説明をして歩きましょう。子供達も聞きたいはずです。
洗濯物を出させましょう。恥ずかしがらずに、また、きれいにするように。
相手の国の言葉を一緒に発音しましょう。その言葉から日本語での言葉も教えて、お互いの国の言葉に興味を示し、教え合いましょう。これによって、ぐっと距離が縮まり、笑顔が出てきます。
父親が夜のだんらんを盛り上げ、子供の笑顔を引出す!
世の父親は、ここで活躍してくれなかったら、もう絶対に頼りにしない、昼間の主婦は大変なんだから!!!
ということで、パパにしてほしいことを順に言わせてもらいます。
ウェルカムセレモニーで初めて顔合わせした時に、英語でちゃんとした自己紹介(家族紹介)をすること。ジョークまではいいから、とにかく、家族全員の名前を伝え、こちらからどのように呼べばいいか、ぐらいは、最初に仕切ってほしい。
初めて自宅に連れて帰った時には、家の中の案内、生活様式(トイレ・浴室・洗面・洗濯カゴ・台所・冷蔵庫・エアコンの使い方など)の決まりごとなどは、絶対にパパにやってほしい。一家の大黒柱である威厳を見せてほしい!!。
滞在中のスケジュール表を作っておいて、最初に大まかに説明してほしい。1部は部屋に貼り、もう1部はリビングに貼っておいてみんなで確認し合いましょう。ママはそれどころじゃなく忙しいのだから。
夕食の時は、パパの独壇場であってほしい。今日あったことを話させる、テレビを見て説明をしてあげる、デザートを取り分ける、など、いつもはしなくてもいいことでも、きっちり毎日してほしい(仕事を言い訳にしないで)。
土日のお出かけは、相談しながらもパパが決めて、是非エスコートしてほしい。本当のパパになったつもりで遊びの相手をしてほしい。
そして、英語。話せるのはもちろん、ウィットに富んだジョークもビシビシ飛ばして、笑顔を引出してほしい。
ちょっと要求が多いかもしれないけど、頼んだわ、お父さん、って感じです。
実際、今回のパラオの時でも、初めて受入れたファミリーのお父様方は、実に神妙でした。これでは、話しがはずむわけがない?ですよね。
地域を中心にプログラムを考え、無料をたくさん使いこなす!
日中の交流・活動・見学は、日本的なものや、事前のアンケートで興味のあることを押えながら、是非、住んでいる地域内で手配可能なものはどんどん取り入れましょう。福岡でいえば、別に天神やヤフードーム・サンシャインプールに連れて行かなくても、那珂川町の中でも充分に楽しめるプログラムが準備できるものです。
移動の時間も考慮しないといけませんし、高価なおみやげを欲しがったり買い与えるようなことも控えなければなりません。
外食はよーく考えよう!
「なに食べたい?」と聞いてよくあるのがお寿司。でも値段ははるし、回転寿司ではちょっとお粗末・・・。と、そんな時に使えるお寿司屋さんも、事前の地域連絡会で情報交換をしておきましょう。普段は行かないちょっと高そうなお店でも紹介を受けたり、この事業のための協力をお願いするだけで、いつもよりまけてくれたりして。
ただし、代表的なネタを英語でどう言うかは事前にきちんと調べておきましょう。鯛・マグロ(トロ)・ヒラメ(エンガワ)・イカ・タコ・ハマチ・カンパチ・ウニ・イクラ、などです。
また、特に希望がなければ、手頃な値段で割りと好きなものが多いファミレスは使えますね。その場合でも、メニューをみてだいたいの料理内容や日本語表示しかないものに対して英語で説明できるようにはしておきましょう。
注意しなければならないものに、麺類があります。ラーメン・ちゃんぽん・うどん・そば、などの中で、冷やし系の「ざるそば」「ざるうどん」などは意外に大丈夫ですが、熱いものは普段食べ慣れていないので、熱くて口に入れられないこともあります。福岡でしたら、ぜひ、トンコツラーメンをと考えがちですが、冷めるまで待っていて、結局麺が伸びきっておいしくいただけなかったこともあるようです。
英語で必要なパターンを用意しておく!
結局充分な英語の準備ができないまま受入れの日がきてしまう、よくあることです。しかも、パパは逃げるし、子供は単語さえも出てこないし、私も十分話せないし・・・でも、大丈夫、場面ごとの決り文句をいくつか準備しておきましょう。
It`s time for dinner. It`s time to go to city hall. 『...する時間ですよ。』
幅広く、いつでも使えるとっても便利な切り出し文句です。
まずは、毎朝これでたたき起しましょう。It`s time to wake up!
Which do you like to eat ... or ...? 『...と...はどっちが好き?』
聞く時には、2者択一を心がけましょう。漠然と聞くよりは、はるかに答えを導きやすいものです。
Itinerary / Schedule 『行動予定表を作って貼り出しておく』
説明するよりも、一目で分かるアイテナリーの作成・掲示は効果抜群。
このようにホームステイを受け入れ始めると、自治体の担当者や知り合いになったほかのホストファミリーを通じて、別のケースのホストファミリーをやってほしいという依頼を受けることがあります。
でも、こちらも人間ですから、ビジネスライクにはしたくないし、ボランティアだからこそ、心の通った交流を望んでいます。その方針に反する可能性のあるケースは、はっきりと断ったほうがいいかも知れません。
また、ホストファミリー受入れ自体は、好きであれば年中話もあるし、なれるものです。
特に青少年が対象なので、国によって全てが違うこと、固定観念を持って対処しないこと、期待しすぎないこと、各家庭の方針を守らせること、などは、ホストファミリーサイドが充分に認識しておくべきでしょう。
吾が子の成長過程において、コミュニケーション能力を伸ばしてあげることは非常に重要なことです。ただし、無理をしすぎないこともまた大切です。
出会い・別れという思い出を大切にしながら感性豊かな成長を促すためにも、多いにホームステイ・ホストファミリーを活用すべきだと思います。
そして終わったら・・・。この時に一番思います・・・。
もっともっと英語の勉強をして、言いたいことが100%言えるようになるまで、またがんばるぞー、と思ってしまうわけです。
子供ともども反省しきり、そして「がんばろうね」と言い合うのです。